生かされてある日々

「世界はエネルギッシュな人間のものである」……エマーソン(1803~1882)米の思想家

路上の死 Ⅱ(風化)

それから一週間後に行ってみると、どこかに蛆虫は去りすっかり乾燥がすすんでいた。
もう一週間もしないうちに風に飛ばされて跡形もなくなってしまうだろう‥。

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鉛筆、色鉛筆、他(2013・5・14)

 

「残念ながら、
あなたがいまかかえている問題は、
そんなに深刻なものではありません。
ただ、あなたが深刻にしたがっているだけのことです。
(中略)
いずれにしろ、
生物としての生き延びるための問題解決というレベルから見れば、
わたしたちが日常かかえている問題なんて、
どれもたいしたことではありません」
           
           ‥‥伊藤守著「だいじょうぶたいしたことないから」より

 

路上の死 Ⅰ

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鉛筆、色鉛筆、他による画(2013.1.28)

 

「おそらくほかの動物は知らないと思うのだけれど、人間だけは自分が死ぬということ  をすごく早くから知ってて、自分が死ぬということを、自分の人生観の中に取り入れて生きていかなければいけない。それはある意味では病んでいるのです」
               
             ‥‥‥新潮文庫村上春樹河合隼雄に会いにいく」より

エフトゥシェンコ

ぼくらは
           孤独をはばかって
                                    やりきれなさのあまり
なにかの仲間に身を投ずる
すると  役立たずの友情の奴隷のきずなが
棺桶のふたまで  つきまとってくる。

 

どの仲間も  ばかげた具合にできていて
ある種の仲間じゃ  酒をのむばかり
               正気返るひまもない。
べつの仲間じゃ   衣服や女の話ばかり
またべつの仲間じゃ
         まるで思想論争はだしのおしゃべりばかり
しかし よく見ると
         どの仲間にも共通の性格‥‥‥
つまりは  暇つぶしの種々様々の形態だ!

 

あっちも
    こっちも  さわがしい仲間ばかり‥‥‥
いったい幾つの仲間から  ぼくは逃げのびただろう
                       かぞえきれないくらい!
新しいわなにかかったと思うと ぼくはたちまち
そこに毛皮だけ残して
          とびだしてしまう。
おれはぬけ出たぞ!
         行途には荒涼たる
自由よ きみが待っている‥‥‥
               まったく きみがいなくちゃ やりきれない!
           
                           ‥‥‥‥「白い雪が降る」エフトゥシェンコ詩集より

蟹 ・ 風化

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鉛筆、色鉛筆画(2012・9)

「宗教書、哲学書、文学書などを乱読するうちに(中略) 
  人間であることの悲しみが薄らいだわけではない。
  本を読むことによって、
  むしろその悲しみは動かしがたいものになっていった。
  しかし、ほんとうの悲しみを知ってしまったのは、
  私だけではないということに気づいたのである」

                   ……柳澤桂子著「いのちのことば」より

蛙とカタツムリ

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鉛筆、色鉛筆画(2012・1・24)

「たいていの人間は、静かな絶望の生活を送っている。

いわゆるあきらめとは、絶望の確認にほかならない。‥‥ 

人類の競技や娯楽の底にも、きまって無意識の絶望がひそんでいる。

そこには歓びがない。歓びは仕事のあとにくるのだ」
                                    …H・D・ソロー著「森の生活(上)」より

R・ミズラック

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        Richard Misrach「The Mysterious Opacity of Other Beings」2015より

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ネバダ州フォロン付近、死せる動物たち 1978

         ‥‥リチャード・ミズラック(1949~ )米国の写真家

「人間の生は、量ではない、質である。サルの生なら、質ではなく量に価値があるのかもしれないが、精神をもっているわれわれの生の価値は、生存の量ではなく精神の質にしか、その価値はない」

                      ‥‥池田晶子「考える日々」より

蒸し 暑い

今は33度でかなり蒸し暑い、早く終わったので扇風機を強にして缶ビールを飲む、島らっきょとカキピーをつまみに、あとはおもしろい本があったらベスト。

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「こんなに長生きするとわかっていたら、もっと体を大事にしておくんだった!」
                 ‥‥読み人知らず、晴山陽一著「すごい言葉」より