生かされてある日々

「世界はエネルギッシュな人間のものである」……エマーソン(1803~1882)米の思想家

R・サビエ

「しなやかに、ときに鋭く画面に切り込む筆勢。大きな顔、顔、顔。刻み込まれた皺、虚空を見つめる眼。それらが、闇の中から浮かび上がって静かな、しかも強い光を放つ。‥‥‥‥
カタログで見るとテーマの重さ故か、心がうちひしがれてしまうのだが、それが全くない。画面の内側から滲み出る人間そのものの美しさ、輝きのようなものを体の細胞ひとつひとつがかんじている。ああ、美とは表面の美しさを言うのではないのだなぁと‥‥。すると、作品のさらに向こう側から、創造者としてのサビエの底知れない凄みが伝わってくる」
                                       ‥‥文●越智俊一(展評 1999 創刊号から)

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展評 1999 創刊号より

「人間は何か高いところの倫理的な法則に則って生きなければならないのではないか、それで、ユングのいう共時性(文化などを超越し、どこから派生するかは解らないが、意識のどこかに宿って派生するもの)でしょうか、人間共通に潜在意識の中に人間性という倫理が宿っているはずだと思うのです。だから倫理的に生きようとするときに無意識のうちに人間同士の信頼と共感がうまれる。物質的文化に浸かった状態でものを見れば正常に事物を見ることができなくなる。高い見地から人間共通の普遍的な人間性という境地でものを見る必要がある」  
                                ‥‥ラインハルト・サビエ(1956~ )ノルウェーの画家