zizphous

All life is an experiment.(Ralph Waldo Emerson)

制作中「落花‐雨」

初めてからひと月がたち、まだまだ描き残しがあるけど先が少し見えてきた。
朽ちたコンクリート、空をうつして流れる雨水、花にたまる水滴をどこまで描けるか…。

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「書くことは…(略)…他人に納得させようとするかのような外見を保ちながら、つまり普遍的問題であるかのようなトリックを駆使しながら、じつは自分自身だけに語りかけることである」
                                            ……中島義道(1946~ )哲学者

金子光晴 詩「反対」

「反対」

僕は少年の頃
学校に反対だった。
僕は、いままた
働くことに反対だ。

俺は第一、
健康とか正義とかが大きらいなのだ。  
健康で正しいほど
人間を無常にするものはない。

むろん、やまと魂は反対だ。
義理人情もへどが出る。
いつの政府にも反対であり、
文壇画壇にも尻をむけている。

何しに生まれてきたと問わるれば、
躊躇なく答えよう。反対しにと。
僕は、東にいる時は、
西にゆきたいと思い、

きものは左前、靴は右左、
袴はうしろ前、馬には尻をむいて乗る。
人の嫌がるものこそ、俺の好物。
とりわけ嫌いは、 
気の揃うということだ。

俺は信じる。   
反対こそ、人生で
唯一立派なことだと。

反対こそ、生きてることだ。
反対こそ、じぶんをつかむことだ。

……金子光晴(1895~1975)詩人

 

 

 

落ちこぼれ、その他、茨木のり子詩

「落ちこぼれ」

落ちこぼれ
  和菓子の名につけたいようなやさしさ
落ちこぼれ
  いまは自嘲や出来そこないの謂
落ちこぼれないための
  ばかばかしくも切ない修業
落ちこぼれにこそ
  魅力も風合いも薫るのに
落ちこぼれの実
  いっぱい包容できるのが豊かな大地
それならお前が落ちこぼれろ
  はい 女としてはとっくに落ちこぼれ
落ちこぼれず旨げに成って
  むざむざ食われてなるものか
落ちこぼれ
  結果ではなく
落ちこぼれ
  華々しい意志であれ

「一人は賑やか」

一人でいるのは 賑やかだ
賑やかな賑やかな森だよ
夢がぱちぱち はぜてくる
よからぬ思いも 湧いてくる
エーデルワイスも 毒の茸も

一人でいるのは 賑やかだ
賑やかな賑やかな海だよ
水平線もかたむいて
荒れに荒れっちまう夜もある
なぎの日生まれる馬鹿貝もある

一人でいるのは賑やかだ
誓って負けおしみなんかじゃない

一人でいるとき淋しいやつが
二人寄ったら なお淋しい
おおぜい寄ったなら
だ だ だ だ だっと 堕落だな

恋人よ
まだどこにいるかもわからない 君
一人でいるとき 一番賑やかなヤツで
あってくれ

「波の音」

酒注ぐ音は とくとくとく だが
カリタ カリタ と聴こえる国もあって

波の音は どぶん ざ ざ ざァなのに
チャルサー チャルサー と聴こえる国もある

澄酒を カリタ カリタ と傾けて
波音のチャルサー チャルサー 捲き返す宿で

一人 酔えば
なにもかもが洗い出されてくるような夜です

子供の頃と少しも違わぬ気性が居て
悲しみだけが ずっと深くなって

……「茨木のり子詩集 谷川俊太郎選」岩波文庫より

制作中(続き)

「枯草、轍、新葉」制作中

あれから、毎日少しずつ描いて10日余り、
絵が落ち着いて、よりクリアになってきたように思う。

焦らず、甘ず、諦めず。

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水性色鉛筆(オーカー、アンバー、紫系1色、緑系1色、灰色2色)
鉛筆(HB,2B)、電動消しゴム、カッター。

 

「どんな粗雑なものであろうと、自己の趣味に勇敢に従うこと、そして自ら感じることを正確に自己に告白すること」

                                     ……アラン(1868~1951)仏の哲学者

制作中

「枯草、轍、カエル」制作中

まだまだだけど、アップすることにした。
もう半分以上はできたように思うが、仕上げるためには、
更に、もう少しのデリケイトさをもって描くことが必要かな。

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水性色鉛筆(イエローオーカー、バントアンバー、灰色系紫、灰色)
鉛筆(HB,2B)、電動消しゴム、カッター。

 

「低く暮らし、高く思う」

Plain living and high thinking.

                                   ……ワーズワース(1770~1850)英国詩人

あなたの子どもは

「あなたの子どもは」カーリル・ギブラン詩(霜田静志訳)

 

あなたの子どもは あなたの子どもではない
子どもは「生命」の渇望からの子どもである
子どもは あなたを通ってくる
しかし あなたからではない
子どもは あなたと共にある
しかし 子どもは あなたのものではない

 

あなたは 子どもに愛を与えることが出来る
しかし 考えを与えることは出来ない
子どもは 自分の考えをもっているのだから
あなたは 子どもの体を 動かしてやれる
しかし 子どもの心は 動かせない

 

子どもは 明日の家に生きている
あなたは それを訪ねることも 見ることもできない
あなたは あなたの子どもを 思い通りにしようとしてはいけない
人生は 後ろに退き 昨日にとどまるものではないのだから

 

あなたは 弓である
そして あなたの子どもらは 
生きた矢としてあなたの手から放たれる

弓ひくあなたの手にこそ 喜びあれ……と

 

〇カーリル・ギブラン(1883~1931)レバノン生まれ、詩人、哲学者、芸術者。